隊員紹介

我らと共に行こうぞ!

光文明の急速な進化により、明治時代以降妖怪達は次々と姿を消していった。 彼らは鬼門を通りこの現世と幽界を行き来きするのだが、それは人間の恐怖の心がカギとなる。 この鬼門が夜間も明照な現代社会、それによる人々の恐怖心の衰えで正常に機能しなくなったのである。

人の魂を食らう妖怪・・・だが、 一歩間違えれば幽界へ戻る道が閉ざされる故、現世への進行は徐々に減っていったのだった。

現世に長く留まる事は妖怪達にとって消滅・・すなわち死を意味する。 それ故に近年ではほとんど妖怪の姿を見ることがなくなったのである。

卓斗

ギン

奏新

平成20XX年 東京

天変地異の前触れ。

人間達はもはや文明を進化させすぎた。いつまでも照らす都会のネオン、身近に光を放つ電子機器。夜でも賑わう街・・・どこにも闇はない。 妖怪は存在すら忘られ幽界は完全に現世と切り離されようとしている。

幽界にいる妖怪たちは飢えに飢えていた。そして現世にあるとされる秘宝を探し求めてその秘宝を持つものは永遠の肉体を約束されると言われているのだ。

彼らは禁忌の邪法を用いて鬼門をこじ開けることに成功する。 そして今、幾百千年の時を超え妖怪達は現世に悪害を もたらすのであった。

万鬼隊は妖怪の現世進行を阻止するべく立ち上がったのである。

王鬼“ギン”

@BKT_gin / 鬼叫 / 生誕如月拾肆

此処に一人の若い鬼がいた。名を“ギン”と呼ぶ

若いと言えど600年余りを生きる歴とした妖怪の類である。 彼は400年近くこの現世に具現し続けている。

一体何故・・?

彼の体には人間の血が混ざっている。故に現世に留まることができたのである。 その他にもその体には重大な秘密が隠されていた。

鬼族の王の嫡男として生まれた一方、半身は人間であるが故に異端と蔑まれ一族から現世へと追放された。

ギンは生涯孤独の身となった。

それ故、自分を捨てた一族に対し強い憎悪を抱いていたのである。 現世に降り立ち幾百年か・・・

孤独に彷徨っていた彼は小さな村に身を置くことになる。 そこは現世から見捨てられた人々が最後に行き着く地。

戦により両腕を失った者、奇病、奇形により人々から住む地を追われた者など一人で生き抜く事が困難な者が身を寄せ、助け合い暮らしていた。

そこでの生活は彼を大きく変えた。 弱い者同士助け合い、その絆は鋼以上に硬く、今まで感じた事の無い温もりがそこにはあった。 大いに感銘を受けたギンは此処を安住の地とすることを決意する。

やっと手に入れた穏やかな日々。それは脆くも崩れ去る。

~百鬼夜行~

妖怪達の魔手は既にギンの住む村へと伸びていた。 幾百の軍勢を前に戦う術を知らぬ鬼の子は身を隠す事で精一杯だった。 その間にも仲間は次々に魂を喰われ、軍勢が去った後は既に息をしている者はいなかった。

ギンは怒りに打ち震えた。 大切な仲間達を前にして何も出来なかった自分自身に・・・ 屍の山に彼の慟哭だけが虚しく響き、頬を流れる涙は血の様に朱く染まっていた。 ついに眠っていた“鬼の王”の血が今目覚める。

“全ての妖怪共をこの手で屠る” その手に強く握られた金砕棒が奴らの血を全て飲み干すまで。

天狗“奏新”

@BKT_soara / 東方陸幻 / 生誕如月壱

室町時代、妖怪達も互いの領土拡大、侵攻を目的とした戦が山ほどあった。 後の妖怪大戦である。 鬼族とはもともと犬猿の仲である天狗族、衝突は徐々に激化していった。

副将“奏新”天狗族の中でも剣術の腕は部隊最強と噂され所属の壱番隊は鬼族からも一目置かれていた。

先の対戦で惜しくも鬼族に敗北し更に肉親をも失った彼には、復讐によりその無念を晴らす事が生きる目的となっていたのだ。

そんな彼の元へひとつの情報が入った。

鬼王の嫡男が現世に留まっている。と

復讐に燃える奏新は単身現世へ乗り込むのであった。

霧の深い夜更け

ギンと奏新は対峙していた。

すべての妖怪を屠ろうとする鬼と、すべての鬼を屠ろうとする天狗

金砕棒と刀の打ち合いはいまだ鳴りやまず 翅のように滑らかで鋭い奏新の剣撃を力で撥ね退けるギン お互い一歩も退かない状況の中、時間だけがただ過ぎてゆく。

まずい、夜が明ける前にこいつを殺らねば!!!

奏新の剣撃が更に速度を増してギンを追い詰める。

次で仕留める!!

奏新はギンを睨み音速の一撃を繰り出す。

刀身がギンの首を捉えたその刹那、奏新の動きが止まった。

なぜわざと切られるような真似を。

幾千打ちあった刀身はギンの首に触れた瞬間粉々になった。 ギンは奏新の刀が限界を超えていたことなどすでに解っていたのだ。

もう夜は明けていた 持てる力を使い果した奏新は既に幽界へ戻ることを諦めていた。

意識が徐々に薄らいでゆく。 このままオレは消えてゆくのか・・・ だがこれで皆の処へ・・・

目を開けるとそこにはギンが眠っていた。 木漏れ日の中、自分の肉体が消滅していないことに驚く奏新

意識を失った時夢を見ていた気がする。ヤツの夢なのか。 一族から、親からも見捨てられ泣き叫ぶ孤独な鬼の赤子の夢を。

妖狐“卓斗”

@BKT_takuto / 西方陸幻 / 生誕神無月弐拾肆

狐は化けて人間を驚かしている。別に驚かすだけで特別な危害は加えない。 そんな掟のある妖狐の里は現世にあった。

その妖狐の里は人間とも仲良くしており平和な時を過ごしていた。 そんな頃、生まれて間もない狐の幼児“卓斗”は必死 に化け術の練習をしていた。 どれだけ上手く人間に化けれるか。幼い狐でも人間に化けることはそう難しくはなかった。

青年に化けた卓斗は人間の村に頻繁に出入りするようにな、りそこで村の若い娘と恋に落ちた。 ありきたりな幸せな日々。娘も妖狐とわかっていた卓斗を愛していた。

だが、そんな平凡な幸せも束の間

長禄、寛正の時期に大飢饉が訪れた。 分厚い雲は晴れず大雨が続き冷夏で不作が幾年も続いたのだ。

小さな村の作物はすぐに底をつき村人達は飢えて次々と倒れていく。 娘も徐々にやせ細り卓斗は傍にいて見守ることしか出来なかった。

このままじゃダメだ・・・

幾日も祈った、遠方に食料を探しに行っては娘のもとへ届けた。 いつしか取れる食料もなくなり途方に暮れる卓斗の前に二人の旅人が現れた。

その旅人は村に食料をわけ与え、船の帆ほどもある大きな団扇で分厚い雨雲を払って去っていったのだ。

村も娘も卓斗も救われた。

幾十年が経ちやがてその娘も老い、死して別れた。

卓斗はあの時みた奇跡を、恩を決して忘れはしなかった。 彼らはただの旅人ではなかったのだろう。

白虎“心”

@BKT_kokoro / 帝音 / 生誕葉月弐拾伍

日本の西国の果てに位置する洞窟。 そこには神の力を宿した勾玉があるとされる。手に入れたものは世界を手中に収めることができるといい伝えられており、幾人もの人間や妖怪たちは、その勾玉を狙い洞窟に進軍するのであった。

だが、そこには勾玉を守る神の使いがおり、その怒りに触れて生きてかえって来れた者は一人もいないと言われている。

四人の旅人は現世を邪悪から救うためその洞窟を目指すのであった。

洞窟の奥深く、勾玉を目の前にした四人に語り掛ける声・・・

汝らは如何にしてこの勾玉を欲する。

この現世を救うためだ。ギンは答えた。

そうか・・・ならば

刹那、鈍い衝撃音と共にギンは洞窟の壁に激突した。

声は聞こえたが姿が見えない。

次から次へと蹴散らされていく 実態の見えない敵を前にして成す術もなかった。

だが、絶対絶命の中でも四人は屈することなく立ち上がり見えない敵に立ち向かうのであった。

幾度となく倒れその度立ち上がり、いつ力尽きてもおかしくない状況の中ついに天狗の刃が見えない敵を捉えた。 妖狐の戦輪が逃げ道を塞ぐとともに、大蜘蛛の苦無が実態の見えない敵に刺さる。

ギンは高く空に舞い金砕棒を頭上から振り下ろした。

刹那、勾玉は砕け散った。

そこにはもう何の気配も無かったのだ。

“・・・汝らの想い受け取ったり”

そこに現れたのは銀色に輝く体躯に漆黒の縞模様。その姿はまさしく虎のそれであった。

大蜘蛛“白”

@BKT_byaku / 陣太鼓 / 生誕弥生捌

鬼蜘蛛山。そこの主“白”は静かに眠っていた。 八つの目の一つはつぶされ2つの足は切断されていた。 過去の対戦で負った傷はまだ癒えないままだ。

付近の村に住まう人間達はそんな彼を祀り、戦の神として崇めていた。 またそんな大蜘蛛も人々に戦のいろはを指揮し、その村は戦に勝ち続け次第に大きく豊になっていった。 しかし村の繁栄も圧倒的な豊臣軍勢の侵攻により終わりを迎えることとなった。

村人たちは一人残らず殺された。 何故?戦況はあきらかにこちらが有利だったはず。 大蜘蛛は怒り軍勢に迫った 一般の軍勢など少々の傷を負っていてもオレの敵ではない。 だがその軍勢は切っても切って も倒れず、手負いの大蜘蛛はその刃を退けることで手一杯だった。 軍勢はヒトではなかった。

当時豊臣の軍勢は妖怪と結託し天下統一を成し遂げたのである。

我もここまでか・・・

その時、雷鳴の如く現れ軍勢を圧倒する3体の妖怪。 大蜘蛛は間一髪命を救われたのであった。 聞けば妖怪に仇なす妖怪と

大蜘蛛は誓った。この傷が癒えた時こそ、我が命そなた達に預けようと。

2017年8月30日(水)『出陣』全国発売決定!!

2017/07/01